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穏やかな波の上から、ぼんやりと岸を眺める。

一年に一度の里帰り。
本当に楽しかった。

近況を報告して、
昔の話に花を咲かせて、
スイカを食べながら涼んで、
一緒に花火を眺めて。

一日中側にいられる三日間。
あぁ、幸せだった。

これであなたと触れ合えたら…なんて…
ダメね、それはまだ早い。
いつかのお楽しみ。

小高い丘の上にある、いつか二人一緒に入るお墓がここからはよく見える。

「また、来年」

ぽつりと呟いて…
そして私は西へ往く。

大好きなあなたを想いながら。
あなたの作ってくれた、小さな精霊船に乗って。
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公開:18/05/14 11:21

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