タオル決闘

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枕は投げられた。決闘の合図だ。
我らの頭の中では決闘のテーマであるハチャトゥリアンの剣の舞が演奏される。互いに武器をとるため、昨日寝たベッドに向かった。掛け布団の下からタオルケットを引っ張り出し、枕を盾、タオルケットを剣に見立てて構える。決闘を前に気持ちは最高潮に高まった。


「あんたたちなにやってるの!?」

いざ決闘というときに、大砲のような怒号が飛んだ。
しまった!鬼将軍(ママ…じゃない母上)が帰ってきた!
部屋に入るならノックしてよ!

「近所迷惑になるからやめなさい!」

僕らは顔を見合わせた。弟は眉をハの字にしている。双子だからきっと僕も同じ顔をしてるだろう。
二段ベッドの上か下かを決める戦いは中断し、その晩は僕が上段で寝た。

次の日は僕から枕を投げた。今日はどっちが多くおやつを食べるか勝負だ。

決闘にかけるものはなんだっていい。
だって目的は血がたぎるような戦いだから。
青春
公開:18/05/15 20:27

砂塵

読んでいただきありがとうございます。
話のおもしろさ云々はひとまず置いといて、とりあえず一本完結させることを重視して書いてます。
朗読ラジオ「月の音色リスナー」です(^o^)/
低浮上中なのでコメント返し遅れるかもですが必ずお返しします。

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