赤い糸売ります。

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僕がその店を訪ねたのはちょうど1年前のことだった。
その店のドアを押し開けると柔らかな老店主の声が僕を迎え入れた。
「いらっしゃい。何をお探しで?」
「いや、友人に勧められて…この店は何を売る店なんですか?」
「ここは“赤い糸”を売る店ですよ」
「あ、“赤い糸”ですか?」
「はい。この店は、お客様が運命の人と巡り会えるようにと“赤い糸”を販売しております。ご購入されますか?」
せっかくなら…と僕は買うことにした。
代金を払うと、店主は赤い糸を僕の薬指にはめた。僕は半信半疑の念を抱えたまま店をあとにしたのだった。
それから数ヶ月後。不意にその出会いは訪れた。ある女性とすれ違ったとき、糸がぐっと引かれた。振り返ると、彼女の薬指に糸が絡み付き、彼女は頬を染めていた。
そして、僕は赤い糸が引かれるように、彼女に惹かれてしまい…めでたく、きつく結ばれたのだった。
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公開:18/05/15 16:16
更新:19/03/19 22:44
ふたりを紡ぐ 赤い糸 これからの生活

すみれ( 群馬県 )

書くこと、読むことが大好きな大学生です。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。

Twitter @sumire_ssg 

6月の目標 色彩豊かに

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