銀色のスケート靴

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彼は深夜に高台へ行き、夜空に飛び乗った。
流星のしっぽで出来たスケート靴を履いて上手くエーテルの風に乗れれば、いつまでも駆け巡ることができる。
憧れの挑戦。必ず出来る。
初めはふらついて安定しなかったが、段々と慣れてスムーズに進めるようなった。
やがて余裕が出来て、見渡す限りの美しい天体を眺めながら滑った。

見とれている内に油断をしていたのか、彼は安全地帯から遠くに来てしまっていた。
慌てて戻ろうとするが、風がわんわん吹き荒び前に進めない。やがて突風が彼を遅い、足下を踏み外した。
彼はあっという間に滑り落ちて、流れ星のようにぽっと燃え尽きてしまった。

それは銀色に輝き、ぱちぱちと線香花火のように弾けながら夜空を照らしていつまでも眼の奥に残ったという。
ファンタジー
公開:18/05/12 04:45

林 孝光( 東京 )

普段は四コマ漫画を描いたり、イラストを描いて遊んでいます。

ショートショートは中学生の時に筒井康隆先生に出会って衝撃を受けて、星新一先生、藤子F不二雄先生と手を伸ばして読み漁り自分なりに執筆をしていました。

よろしくお願いします❣️

ショートショートの漫画も執筆しています。

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