疑り深い

とある町に住むA氏はとても疑り深い。
人は信用できないをモットーに疑心暗鬼を人の形にしたような男である。
そんなA氏は今まで一度も騙されたことがない。
その噂を聞き、B氏がA氏を騙してやると意気込んだ。
「A氏、これからお前を騙してやろう！」
「お前はバカか？そんなこと言われて騙されるやつがいるか」
「それはどうかな？準備するから少し待ってろ！」
B氏はそう言って、目の前のコンビニに入った。

-３０分後-
待てど暮らせど戻って来ないB氏にしびれを切らすA氏。
「B氏は一体何をやっているんだ…」
イライラするA氏。
「おまたせ」
やっとコンビニから出てきたB氏。
「遅いぞ！いったい何をしていた！」
怒るA氏にB氏はニヤリと笑う。
「何って、A氏を騙していたんだよ」
そこでA氏もやっと気づいた。
B氏の「少し待ってろ！」という言葉を信じ、騙されてしまったことに。