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昔から、梅子という名前がきらいだった。
子どもの子がつくだけならまだしも、「ウメ」という響きはなんだか古くさいし、正直お婆ちゃんみたいだと思う。梅干しだってすっぱくて、全然好きじゃない。
私だってこの平成にうまれたからには、友達のサラやユズハみたいに、おしゃれでキラキラした名前で呼ばれたい。梅子なんて名前、プリクラに書いたって可愛くもなんともないのだ。
そんな私の気持ちを知っている友達はいつも、私のことを「ウミ」と呼んでいた。
「ウミちゃんの名前、かっこいいよね」
はじめてできた彼氏である駿くんに笑顔でそう言われ、私は得意気に笑った。が、その後に続いた言葉は、あまりにも予想外のものだった。
「梅子ちゃんって、良い名前」
「え?」
「梅って、一番早く春の訪れを知らせるんだよ。強くて、しかも花は丸くて可愛い。梅子ちゃんみたいだよね」
私は梅子。世界で一番素敵な名前を持っている。
子どもの子がつくだけならまだしも、「ウメ」という響きはなんだか古くさいし、正直お婆ちゃんみたいだと思う。梅干しだってすっぱくて、全然好きじゃない。
私だってこの平成にうまれたからには、友達のサラやユズハみたいに、おしゃれでキラキラした名前で呼ばれたい。梅子なんて名前、プリクラに書いたって可愛くもなんともないのだ。
そんな私の気持ちを知っている友達はいつも、私のことを「ウミ」と呼んでいた。
「ウミちゃんの名前、かっこいいよね」
はじめてできた彼氏である駿くんに笑顔でそう言われ、私は得意気に笑った。が、その後に続いた言葉は、あまりにも予想外のものだった。
「梅子ちゃんって、良い名前」
「え?」
「梅って、一番早く春の訪れを知らせるんだよ。強くて、しかも花は丸くて可愛い。梅子ちゃんみたいだよね」
私は梅子。世界で一番素敵な名前を持っている。
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公開:18/05/08 21:21
更新:18/05/09 16:52
更新:18/05/09 16:52
高野ユタというものでもあります。
幻想あたたか系、シュール系を書くのが好きです。
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