ねこかねこか

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帰り道に近所の100均ショップに寄って帰った。店内を結構な時間ただウロウロしてしまった。せっかく時間を費やしたのだから何か買って行かなくては何か勿体無い気がして、無難にせんべいを手に取った。

レジに行くと、見慣れないおじさんが立っていた。エプロン姿に白髪で小柄で。いや、それよりも私は彼の名札に気を取られていた。


「ね こ」


まさか。変わった苗字なだけだ。しかしよく見てみるとおじさんが袋にせんべいを詰める手は何だか丸っぽく、怪我しない野菜の切り方の左手の様に見えた。そのまま目線を顔にやると、なんと口の横に三本長い毛が生えていた。猫のヒゲ?まさかこのおじさん、本当に猫なんじゃ。そうだ、時代は進んでいる、猫だって人の格好をして働く時代が来たっておかしくないじゃないか。

すると、奥からいつものお姉さんが笑いながら出て来た。


「かねこさん、また名札の「か」落っこちてましたよ」
公開:18/05/08 21:19

二十一 七月

にそいち なながつ

まずは100話お話を作るのが目標です。

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