恋愛チップス

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昼食を食べようと教室の机を移動させた私は、ピンク色の弾けるようなデザインのパッケージの袋を開いた。最近お気に入りの「恋愛チップス」だ。
甘い香りを纏うピンク色のチップを口の中に放り込むと、パリッとした音と共に目の前の風景全てがキラキラと輝き出した。胸に幸せと希望が詰まったような心地の良い重みを感じる。この不思議なお菓子は擬似恋愛体験をさせてくれる。これが堪らないのだ。
幸せに浸っていると、クラスの男子の内の一人が美味そうじゃんとつまみ食いした。咎めようと顔を上げ彼と目が合ったその時、甘い稲妻が私の中を駆けて行った。
鼓動が段々と早くなっていき、顔の温度が高くなるのを感じる。目の前の彼が普段より魅力的に見える。

彼に恋したのだ。

目の前の人物は耳を赤くしながら、目線をぎこちなく外すのが可愛らしく見える。

そうか、このお菓子は恋に落ちるキッカケをくれるお菓子なのか。
その他
公開:18/05/09 22:31

灰谷 ハル

ショートショートが好きな一般人

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