根本的解決に至らない徹夜明けの会話

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「ランチの客足が増えなくってさ」
そりゃあ、隣にあるチェーン店なら299円~スパゲティが食べられるからな。おまえんとこはサラダとドリンク付きとは言え800円だろ。俺だって隣に行くわ。
「値段じゃどうやっても勝負できないから、隣が出してなく、かつ、日本人が好きなメニューを考えたんだ」
へえ、何よ?
「それは、 カレー だ」
カ、カレー!おまえんとこイタリアンだよな、そこでカレー?
「おう。どうよ。隣の店では出してないだろ?」
そこじゃないだろ…。カレーはダメだ、絶対。
「なんでよ」
匂いだよ、ニ・オ・イ。お前んとこみたいに狭い店で誰か一人がカレーを頼んでみ。店中にカレー臭が漂って、あっという間にカレー屋だ。
「じゃあ、どうすれば…」
どうせならイタリアをイメージさせるような華麗な匂いで満たしたらどうだ。
「華麗臭か!おまえ、天才」

自分で言っておきながらなんだけど、どんな匂いだよ、それ。
その他
公開:18/05/09 20:14

いづみ( 東京 )

文章を書くのが大好きです。

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