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彼氏の匠が大真面目に「俺は凄いことを考えついてしまった」と言うので、私はそれをひと通り聞いたのち、一人でぼんやり考えている。
匠の話をかいつまんで言うと、こうだ。
「俺はタイムマシンを作ることに決めた」
「作ると今決めたのだから、何年、何十年後かの俺はタイムマシンを完成させているだろう」
「その未来の俺に宛てて、今から書き置きを残す。未来の俺は書き置きを見て、今の俺のところにやって来るはずだ」
書き置きの内容はこうだ。
『今すぐ2018年5月9日に戻ってタイムマシンの作り方を俺に教えろ』
そして匠は今、私の隣で自信満々で寝ている。
私は呆れながら、でも何となく感心すらしながら、匠の筆跡に似せて手紙を書いた。
『2018年の俺へ。過去には戻れない。未来を変えてしまうからだ』
これでよし、と満足して横になっていると、匠が目を覚まして叫んだ。
「何だよ、戻ってきてるじゃん!」
……しまった。
匠の話をかいつまんで言うと、こうだ。
「俺はタイムマシンを作ることに決めた」
「作ると今決めたのだから、何年、何十年後かの俺はタイムマシンを完成させているだろう」
「その未来の俺に宛てて、今から書き置きを残す。未来の俺は書き置きを見て、今の俺のところにやって来るはずだ」
書き置きの内容はこうだ。
『今すぐ2018年5月9日に戻ってタイムマシンの作り方を俺に教えろ』
そして匠は今、私の隣で自信満々で寝ている。
私は呆れながら、でも何となく感心すらしながら、匠の筆跡に似せて手紙を書いた。
『2018年の俺へ。過去には戻れない。未来を変えてしまうからだ』
これでよし、と満足して横になっていると、匠が目を覚まして叫んだ。
「何だよ、戻ってきてるじゃん!」
……しまった。
SF
公開:18/05/09 03:51
更新:20/05/20 15:13
更新:20/05/20 15:13
三姉妹
タイムマシン
2018年2月8日SSG登録
Twitter:https://mobile.twitter.com/iruya_rata
<三姉妹シリーズ>
親もとを離れて暮らす三姉妹の暮らしを
ショートショートで綴ります。
長女・葵(あおい) 社会人
次女・茜(あかね) 高校生
三女・翠(みどり) 小学生
そのほか1話モノ。
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