海のシチュー
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記念すべき20通目の不採用通知が届いた。原因はずばり、気の小さい性格だ。筆記はそこそこ出来てる筈なのに、面接になると極度に緊張して話せなくなる。考えれば考えるほど平常心でいられなくなってしまうのだ。
そんな私を見かねた母が私の好きなシチューを作ってくれた。
「これは海を煮込んだシチューよ」
「海?」
「そう。これを食べれば海のように穏やかな気持ちで面接に臨めるわ」
半信半疑でその潮の香りのするシチューを食べた。不思議な事に、焦りが和らいだ気がした。
翌日の面接は今までが嘘のように緊張しないで臨む事ができた。海のシチューのおかげで落ち着いて答えられたのだ。
結果は不合格。けれど、少しも落ち込まなかった。
「海のように広い心になったからよ。シチューに感謝しなさい。
あんたの良い所わかってくれる会社は絶対あるから大丈夫よ」
わかってる。感謝してます。母さん、あなたの海のように深い懐に。
そんな私を見かねた母が私の好きなシチューを作ってくれた。
「これは海を煮込んだシチューよ」
「海?」
「そう。これを食べれば海のように穏やかな気持ちで面接に臨めるわ」
半信半疑でその潮の香りのするシチューを食べた。不思議な事に、焦りが和らいだ気がした。
翌日の面接は今までが嘘のように緊張しないで臨む事ができた。海のシチューのおかげで落ち着いて答えられたのだ。
結果は不合格。けれど、少しも落ち込まなかった。
「海のように広い心になったからよ。シチューに感謝しなさい。
あんたの良い所わかってくれる会社は絶対あるから大丈夫よ」
わかってる。感謝してます。母さん、あなたの海のように深い懐に。
その他
公開:18/05/06 23:26
更新:18/05/06 23:29
更新:18/05/06 23:29
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