忘れ物センター
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「忘れ物センターへようこそ」
カウンターの向こうから声をかけられて我に返った。辺りを見回す。いつの間にこんな所に来たんだろう。
困惑する私を気にする事なく、係員は続ける。
「こちらがあなたの忘れ物です。ご確認下さい」
そう言ってカウンターに出したのは一冊の古いノートだった。
「これは…」
確認するまでもない。私のノートだった。昔、誰にも秘密で夢中で書いた想像の世界。思いつくまま書いた不思議の物語たち。ずっと書き続けたいと思ってた。でも現実は甘くなくて。
「いつの間に忘れてたんだろう」
ノートを手に小さく呟くと
「壁にぶつかったり、道に迷ううちに落としてしまうんです。そしてそのまま違う道に行ってしまう。だからよかった。忘れてる事に気がついて。気がつかないと取りに来られませんから」
と言って、あの頃の私の顔をした係員は微笑んだ。
「もう忘れちゃダメですよ」
私は夢を取り戻した。
カウンターの向こうから声をかけられて我に返った。辺りを見回す。いつの間にこんな所に来たんだろう。
困惑する私を気にする事なく、係員は続ける。
「こちらがあなたの忘れ物です。ご確認下さい」
そう言ってカウンターに出したのは一冊の古いノートだった。
「これは…」
確認するまでもない。私のノートだった。昔、誰にも秘密で夢中で書いた想像の世界。思いつくまま書いた不思議の物語たち。ずっと書き続けたいと思ってた。でも現実は甘くなくて。
「いつの間に忘れてたんだろう」
ノートを手に小さく呟くと
「壁にぶつかったり、道に迷ううちに落としてしまうんです。そしてそのまま違う道に行ってしまう。だからよかった。忘れてる事に気がついて。気がつかないと取りに来られませんから」
と言って、あの頃の私の顔をした係員は微笑んだ。
「もう忘れちゃダメですよ」
私は夢を取り戻した。
その他
公開:18/05/06 18:23
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