ブルーホリック

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「使うと一瞬で気分良くなるやつあるよ。あなた疲れて見える。どうだい。」
徹夜明けの私は、何処の国の人かもわからない青年の露店で立ち止まってしまった。
「あなたついてる。今回だけ五千円。十一回使える。」
商品らしきミシン目入りの小さな青い紙きれは、見るからに違法っぽい代物だった。
「使うときに千切るだけ。」
という謳い文句も充分に怪しかったが、疲れていた私は帰りたい一心でお金を払ってしまった。
「使い切ったらまたおいで。」

自宅に帰り畳に寝転がっていると、あの紙から心地よい香りが漂ってきた。
居ても立っても居られずに紙を一枚千切ってしまったその瞬間。

ーーピンポーン。
まさか。

「どちら様ですか?」
ーーお迎えに上がりました。二十八系統・浜辺公園行きの臨時便です。

どうやら青い紙は私の故郷にある海浜公園へ行くバスの回数券らしい。
まずいことになった。予想以上に強い依存性がありそうだ。
ファンタジー
公開:18/05/05 00:46
更新:18/05/05 04:49

TAMAUSA825( 東京と神奈川 )

アイアムジャストアサラリーマン

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