傍らの人②─走れメロス

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メロスったら、また怒ってる。
今回は王の所業にご立腹。まあ確かに、あまり良い噂は聞かないけどさ。
「私は猛烈に怒っている!」
「そうか」
「なので、今から王を暗殺に行く!」
そりゃまずいよ、と忠告する間も無くもう居ない。
あいつ昔から激情型なんだよな。

心配してたらやっぱり捕まってる。
死刑になるのはメロスの自業自得だけどさ、なぜぼくも捕まるの?
「三日のうちに戻らねば此奴の首をはねる!」
「どうぞお好きになさい!」
ああ、ぼくの拒否権はないまま人質にされてるし。
「妹の結婚式に出たら、必ず戻る」
「そうか」──

で、ハラハラしたけれど、間一髪でメロスは帰ってきた。
「よく戻った。余は感激した!」
王も改心しぼくらの罪も許されて大円団の酒宴のなかで、「そうか、メロスって粘着質な奴だったなぁ」という事を思い出した。

安心し切っている王の背後から、短剣を振り下ろすメロスの姿が見えた──。
ホラー
公開:18/05/04 15:48
更新:18/05/30 17:13
走れメロス 激情型 粘着質 太宰治

渋谷獏( 東京 )

(獏・ω・) 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。
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