海色のランドセル
0
119
「穂波ちゃんのランドセル、海色で綺麗だね」
学校から帰る途中、加奈ちゃんが言った。
「加奈ちゃんのランドセルの方が綺麗だよ」
私がそう言うと加奈ちゃんはほっぺを林檎みたいに赤くして笑う。加奈ちゃんのランドセルはほっぺと同じ色でツヤツヤしている。
「ただいま」
誰もいない家の中は静かで冷たい。ママは仕事でいない。
ランドセルを開けると算数の教科書、授業参観のお知らせのプリント、30点の答案用紙‥私の嫌いな物ばかりが入っている。こんな物無くなればいいのに。
泣くつもりなんかないのにランドセルの上にポタポタと涙が落ちる。
水たまりみたい‥そう思いながら私は泣き疲れて眠ってしまった。
起きると外は暗くて宿題をしようとランドセルを開ける。
「え‥?」
ランドセルの中は海だった。波の音が聞こえて潮の香りがする。そこには教科書も答案用紙も入っていない。私は安心してランドセルを抱えたまま眠りについた。
学校から帰る途中、加奈ちゃんが言った。
「加奈ちゃんのランドセルの方が綺麗だよ」
私がそう言うと加奈ちゃんはほっぺを林檎みたいに赤くして笑う。加奈ちゃんのランドセルはほっぺと同じ色でツヤツヤしている。
「ただいま」
誰もいない家の中は静かで冷たい。ママは仕事でいない。
ランドセルを開けると算数の教科書、授業参観のお知らせのプリント、30点の答案用紙‥私の嫌いな物ばかりが入っている。こんな物無くなればいいのに。
泣くつもりなんかないのにランドセルの上にポタポタと涙が落ちる。
水たまりみたい‥そう思いながら私は泣き疲れて眠ってしまった。
起きると外は暗くて宿題をしようとランドセルを開ける。
「え‥?」
ランドセルの中は海だった。波の音が聞こえて潮の香りがする。そこには教科書も答案用紙も入っていない。私は安心してランドセルを抱えたまま眠りについた。
その他
公開:18/05/05 23:33
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます