美魔女

我が子ロボットが開発された。
我が子と同じように心身ともに育つロボットだ。
思春期までは月に一度メンテナンスに出す。すると1ヶ月分成長したロボットが帰ってくる。
思春期以降は1年ごとだ。誕生日の前日にメンテナンスに出すと、誕生日には1年分歳をとったロボットが帰ってくる。

私の娘も実は我が子ロボットだ。29歳の最後の日。メンテナンスに出かけたはずだった。しかし工場から、『ロボットが到着していない』と連絡が来た。

携帯にかけてみる。出ない。
人間ならば警察に連絡をするところだが、ロボットだ。犯罪を起こす心配もないし、自殺することもない。そうプログラムされているのだ。

翌日、娘は何事もなかったかのように帰ってきた。メンテナンスをしていないので、当然29歳の見た目のままだ。
なぜメンテナンスに行かなかったのか？尋ねてみると

「年頃の娘に！」と睨まれた。
「私はロボット界の美魔女を目指すの」