宇宙の居所

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突然右目に違和感を感じて、ぎこちないウィンクをしたまま鏡の前まで走った。
いてててて、とそっと目を開けると、目の中に

「宇宙…」

土星があって木星があって、多分あれは火星で遠くに太陽が見えて、時々流れ星が流れていた。

しばらくすると地球のような星が見えてもっともっと意識するとその地球の中も見えた。山があって海があって雲があって鳥が飛んでいて人が住んでいた。

「痛っ」

ずっと目を開いていて乾いたのかズキっと痛みが走ったので思わず目を閉じた。しばらく目を閉じたまま異物感が取れるのを待ってまた目を開くと目の中の星たちはいなくなっていた。

もしも宇宙が誰かの目の中にあるのだとして、私たちが住んでいる宇宙も誰かの目の中にあるのだとしたら、私たちはどれだけ小さな粒なのだろう。

もう一度深く目を閉じて開いて見た。

今度は両眼に深い深い宇宙がズンと広がって見えた。

キラーン。流れ星。
ファンタジー
公開:18/05/03 23:00

二十一 七月

にそいち なながつ

まずは100話お話を作るのが目標です。

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