天使の分け前
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天使の分け前をご存じだろうか?
酒は天使たちのおかげで旨くなる。
そのかわり、天使たちはほんの少し分け前を要求するのである。
ある日職人が天使とこんな話をした。
「あなた様はお1人で酒を旨くしているんですかい?」
「そうだ」
「もし仮にお2人で作ればもっと旨くなるんで?」
「もちろん旨くなる、ただし分け前は2倍いただくが」
それを聞いた職人は2人分の分け前を払うから、2人で作ってくれるよう頼んだ。
熟成が終わってその酒を呑んでみると、これまでで一番の味がした。
職人は天使とまた話をした。
「2人でこれだけ旨いのなら、もっと大勢で作ればもっと旨いんでしょうね?」
「もちろんだ、最高の酒が出来上がる。」
熟成が終わり職人が樽を覗いてみると、酒がなかった。
「もしかして熟成に失敗なされたんですかい?」
「いや酒の出来は最高だった、我々が確かめたのだから間違いない。」
酒は天使たちのおかげで旨くなる。
そのかわり、天使たちはほんの少し分け前を要求するのである。
ある日職人が天使とこんな話をした。
「あなた様はお1人で酒を旨くしているんですかい?」
「そうだ」
「もし仮にお2人で作ればもっと旨くなるんで?」
「もちろん旨くなる、ただし分け前は2倍いただくが」
それを聞いた職人は2人分の分け前を払うから、2人で作ってくれるよう頼んだ。
熟成が終わってその酒を呑んでみると、これまでで一番の味がした。
職人は天使とまた話をした。
「2人でこれだけ旨いのなら、もっと大勢で作ればもっと旨いんでしょうね?」
「もちろんだ、最高の酒が出来上がる。」
熟成が終わり職人が樽を覗いてみると、酒がなかった。
「もしかして熟成に失敗なされたんですかい?」
「いや酒の出来は最高だった、我々が確かめたのだから間違いない。」
その他
公開:18/05/03 07:46
こんにちは。
1話完結型の物語が好きなので、自分でも書いてみようと思い立ちました。
普段はブログでくだらないことを書いてます、よろしければ息抜きにどうぞ→https://vctaqrone.com
ツイッターはこちら→https://twitter.com/vctaq
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