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噫、触れないで。

果たして声に出せていたのか否かもわからずに、掴んだ袖口を胸元に手繰り寄せる。

ひらりと舞った長い袖はその人を驚かせるには十分で、彼は切れ長の目を丸くしている。

「お人を間違えておられるのでは」

苦し紛れの言葉が彼を欺くことなど出来ぬと知りながら、黙ってはいられなかった。
ファンタジー
公開:18/04/29 10:04

きざはし

140字小説を書いています。
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