回想サラダ
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海の近くの小さな定食屋に、一風変わったメニューがあるらしい。
そんな噂を聞きつけて、私はそのお店を取材する事に決めた。
仕事で色々なものを食べてきたし、変わったメニューはこれまでもあったが、味はいまいちな事が多かった。
ただ、そういったものは人の目を引きやすいのだ。
そのお店はぽつんとあった。
軽く挨拶をし、周りを見る。
どれも普通のメニューで真新しさは無い。
席でしばらく待っていると、刺身の定食が運ばれてきた。
「あのぅ、噂のメニューは…」
「あぁ、その小鉢だよ」
小鉢には色とりどりの海藻が盛り付けられたサラダ。
薄桜色の海藻を口に含むと、目の前に実家の風景が広がった。
カボチャの煮物、湯気を立てる味噌汁、エプロンを着けた母の後ろ姿。
その姿は一瞬でふっ…と消え、気付くと店に戻っていた。
このメニュー、単品では扱っていないらしい。思い出の味には勝てないからだそうだ。
そんな噂を聞きつけて、私はそのお店を取材する事に決めた。
仕事で色々なものを食べてきたし、変わったメニューはこれまでもあったが、味はいまいちな事が多かった。
ただ、そういったものは人の目を引きやすいのだ。
そのお店はぽつんとあった。
軽く挨拶をし、周りを見る。
どれも普通のメニューで真新しさは無い。
席でしばらく待っていると、刺身の定食が運ばれてきた。
「あのぅ、噂のメニューは…」
「あぁ、その小鉢だよ」
小鉢には色とりどりの海藻が盛り付けられたサラダ。
薄桜色の海藻を口に含むと、目の前に実家の風景が広がった。
カボチャの煮物、湯気を立てる味噌汁、エプロンを着けた母の後ろ姿。
その姿は一瞬でふっ…と消え、気付くと店に戻っていた。
このメニュー、単品では扱っていないらしい。思い出の味には勝てないからだそうだ。
ファンタジー
公開:18/04/26 20:59
ぽやぽやと思い付いた物語を書いております。素晴らしい作者の皆様の作品を読みながら勉強中の万年初心者。よろしくお願いいたします。
マイペースに投稿再開していければ良いなぁと思ふ今日この頃。
不勉強なもので、もしどなたかの作品と似た内容を投稿してしまっていた場合はご指摘頂けますと幸いです。
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