ボトルに詰めた手紙

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隣の島に向けて手紙を詰めたボトルを投げる。
このボトルは海を漂い、いずれはどこかに辿り着くのだろうか。
それとも途中で沈むのだろうか。
それは海を漂うボトルにしか分からない。

―ある日、海辺を歩いていると、ボトルに詰まった手紙を見つけた。
好奇心に身を任せ、栓を開けて手紙を開く。
手紙に書かれている文字は全く理解できない物だった。
私の島では誰かを呼ぶ時には狼煙を上げる風習がある。
それに従うと、向こうから船がやってきた。
これが私たちの文明が世の中に知られるきっかけとなった。



時は流れ、人類は隣の星に向けて手紙を詰めたロケットを打ち上げた。
ロケットは宇宙という海を漂い、いずれはどこかに辿り着くのだろうか。
それとも途中で墜落するのだろうか。
それは宇宙を漂うロケットにしか分からない。

数日後、打ち上げられたロケットは他の星に落ち、文明どうしの交友が始まるきっかけとなった。
SF
公開:18/04/28 00:18

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