芸術家

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ある町に貧乏な絵描きが暮らしていました。
毎日欠かさず出かけ、野原でキャンバスを広げては絵を描き続けていました。お金になるような絵は描かなかったので、絵描きはいつも貧乏なのです。
あまりに貧乏な絵描きのようすを見かね、町長さんが「わしの肖像画を描いてくれないか?」と頼んだことがありました。
しかし絵描きは「おれの描くべきものは自然だけだ」と断りました。なので相変わらず貧乏なままでしたが、絵描きはとても幸せでした。

ある日、絵描きが姿を現さなくなりました。
何日たっても姿が見えないので、町の人々は心配になって絵描きの住む家にむかいました。
丘の上にある小さな家は、ひっそりと静まりかえっています。おそるおそる扉をあけた人々は「わあっ⋯⋯」という感嘆の声をあげました。

小さな部屋には「満開の花の絵」が余すところなく架けられ、絵描きはその花々に包まれて永遠の眠りについていました──。
その他
公開:18/04/25 18:19
更新:18/09/17 15:27
画家

渋谷獏( 東京にいるけっどカンサイジ〜ン♪ )

(獏・ω・) 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。
土器っ土器っ〜♪ 獏ぅ獏ぅ〜♪
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