社会人になってから役立つ早弁

2
166

この春高校を卒業した僕は、子供の頃からの夢を叶えた。救急隊員になって救急車に乗っている。

学生のころ勉強したことで役立つことはほとんどない。唯一役立っているのは早弁だ。
中・高の間はとにかく腹が減った。どちらも給食があったけれどそれまで持たなかったので、お袋に頼み込んで弁当を持って行っていた。
それを授業の合間の5分間でかき込んでいた。なぜ5分かと言うと、僕が通っていた学校は授業ごとに教室を移動しなければならなかったのだ。移動した先の教室では前のクラスの授業がまだ終わっていないなんてことも多々あった。だから5分で食べられるスピードが必要なのだ。

救急隊員の食事は忙しない。いつ緊急通報が入るかわからない。だから食べられるときに超スピードで食べる。僕の食べる様を見ながら先輩が言う。
「出動時の準備もその位のスピードでできたらなぁ」

がんばりまっす。
その他
公開:18/04/26 17:50
不思議な言葉

いづみ( 東京 )

文章を書くのが大好きです。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容