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僕は生まれてからずっと砂漠でひとりぼっちで咲いています。
でも夜になるとお月さまが遊びにやって来て旅のお話を聞かせてくれるのが、たったひとつの僕の楽しみでした。
そんなある日、お月さまは言いました。
「ここは雨も降らないけれど、世界にはこの砂漠よりもずーっと大きな水溜りがあるのさ。」
「いつか僕も大きな水溜りに行ってみたいな。」
すると大きな口を開けてお月さまは笑いました。
「なあに、それならすぐにだって行ける。さあ、目をつぶってしっかり地面に捕まるんだぞ。」
そう言うと、お月さまは地面の砂ごと僕を夜空に向かって吹き飛ばしました。
ぐるぐる回ってお星さまの中を泳いでいるとやがて砂の山の向こう側が見えました。
そこには、深く深く蒼い、大きな水溜りがありました。
楽しそうに踊る魚たちの群れ。打ち上げられた海月。
その時、はじめて僕は生きているということがとても素晴らしいことだとわかりました。
でも夜になるとお月さまが遊びにやって来て旅のお話を聞かせてくれるのが、たったひとつの僕の楽しみでした。
そんなある日、お月さまは言いました。
「ここは雨も降らないけれど、世界にはこの砂漠よりもずーっと大きな水溜りがあるのさ。」
「いつか僕も大きな水溜りに行ってみたいな。」
すると大きな口を開けてお月さまは笑いました。
「なあに、それならすぐにだって行ける。さあ、目をつぶってしっかり地面に捕まるんだぞ。」
そう言うと、お月さまは地面の砂ごと僕を夜空に向かって吹き飛ばしました。
ぐるぐる回ってお星さまの中を泳いでいるとやがて砂の山の向こう側が見えました。
そこには、深く深く蒼い、大きな水溜りがありました。
楽しそうに踊る魚たちの群れ。打ち上げられた海月。
その時、はじめて僕は生きているということがとても素晴らしいことだとわかりました。
ファンタジー
公開:18/04/26 16:42
砂漠
海
お月さま
花
星
魚
海月
雨
こんにちは。
思いついた事を気まぐれに投稿します。
詩を書くのが趣味で、
座右の銘は【シャツのボタンはいちばん上まで】です。
よろしくお願いします。
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