ヒーロー

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嗚呼、すべてわかっていたことだった。

彼女が私にとってのヒーローであると同時に、彼女は彼にとってのヒロインであること、なんて。

背丈も体格も違う二つの後ろ姿が満開の桜を見上げて、時折視線を絡ませて微笑み合う。

見たくなどなかった。

今に目を逸らしてしまいたかった。

でも、目を離せなかった。
青春
公開:18/04/26 10:44

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