馬肉猫

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それは、私がジョギング中に足をくじいてしまい、ベンチに座って休んでいた時だった。
「お困りですか」
誰かに話しかけられた。恐る恐る顔を上げてみると、目の前には優しく微笑む仔猫がいた。
後ろ足2本で器用に立ち、しかも医者のような白衣を着ている。肩には鞄を提げていた。
妖怪か、はたまた幻覚か、私は驚きのあまり体が固まりただ唖然としていた。
「怪我をしているご様子。こういう時は冷やすのが良いのです」 
仔猫は鞄から馬肉を取り出し、怪我をした足の患部に張り付けた。
馬肉には冷却作用があるとかで、怪我をした時に役立つと聞いた事がある。
「応急処置ですが、これで安心でしょう。それでは、これにて失礼」
そう言うと仔猫は前足をすとんと地面に落とし、4本足で白衣をなびかせながら走り去ってしまった。

助けてくれた事はありがたいのだが、果たしてこの猫の額ほどの馬肉で効果はあるのだろうか。
その他
公開:18/04/25 01:22

goppe

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