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空腹の私は片田舎、途方にくれながらフラフラと歩いていた。薄汚いドアをしたレストランに入ることにした。
「いらっしゃいませ」
虚ろな目をしていたウエイターは満面の笑みを浮かべ、メニューを持ってくる。天井では蜘蛛が蠢く。早く食べて立ち去ろう。メニューを見る。そこには「メニュー」とだけ書かれていた。他には何も書かれていない。冗談かと思いウエイターに尋ねる。
「この店は一体何が頼めるの?」
「<メニュー>でございます」
「はっ? メニューって?」
「ですから<メニュー>でございます」
数度、この問答を繰り返す。一向に埒が開かない。捨て鉢に私は「メニュー」を頼んでみることにした。
その瞬間、ウエイターは煙のように消えた。
気味が悪い。逃げよう。ドアを開け店を出る。出たかと思った。しかし、そこは店内だった。
そして、いつのまに私はウエイターの格好をしていた。ぼやける視界の先で蜘蛛が蠢めいている。
「いらっしゃいませ」
虚ろな目をしていたウエイターは満面の笑みを浮かべ、メニューを持ってくる。天井では蜘蛛が蠢く。早く食べて立ち去ろう。メニューを見る。そこには「メニュー」とだけ書かれていた。他には何も書かれていない。冗談かと思いウエイターに尋ねる。
「この店は一体何が頼めるの?」
「<メニュー>でございます」
「はっ? メニューって?」
「ですから<メニュー>でございます」
数度、この問答を繰り返す。一向に埒が開かない。捨て鉢に私は「メニュー」を頼んでみることにした。
その瞬間、ウエイターは煙のように消えた。
気味が悪い。逃げよう。ドアを開け店を出る。出たかと思った。しかし、そこは店内だった。
そして、いつのまに私はウエイターの格好をしていた。ぼやける視界の先で蜘蛛が蠢めいている。
ホラー
公開:18/04/24 22:23
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