AIボート

ある町で、町営公園の池にAIボートを導入した。
AIボートがどんなものかというと、例えば、『へい、ボート。桜の綺麗な場所に案内して』と話しかけると、桜が咲いているところへ自動的に移動する。
あるいは、カップルが乗っている場合はロマンチックな音楽を流し、親子だったら愉快な音楽を流したりする。
物珍しさも手伝って、AIボートを多くの人が利用した。人々はボートの上で音楽を聴き、おしゃべりをした。たまに喧嘩をするカップルもいた。

AIボートは日々学習していった。

ある日、カップルが乗ってきた。カップルがボートに話しかける前に、ボートがしゃべりだした。
ボ「今までのカップルのデータからすると、お二人はうまくいきません。すぐに喧嘩をし出すでしょう」
男「どういうことかな？」
ボ「男性の方、浮気してますよね」
女「やっぱり浮気してたのね！」

二人は激しく言い合いを始めた。

ボ「ほらね」