ファニープリントシャーツ

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3日間実家に帰省し、東京へ戻ってきた。空港から自宅最寄り駅までの電車は空いていた。荷物も大きいし席にも座れてホッとした。あとは最寄り駅まで一本なので力が抜けたのか少しうとうとし始めた時、目の前に一人の男性が立った。(少し向こうの席は空いているのになぜ私の前に立つのだろう)あまりいい気分はしなかったがすぐ降りるのかもしれない。それよりも、私はその男性のシャツに目が釘付けになった。

男性のシャツには、まさに矢の先の様な(紙飛行機にも見える)矢印柄が無数にあった。どこかで見たことがあると思ったら、天気図だった。風の向きを知らせる天気図にそっくりだったのだ。すると男性が脇腹をポリポリと掻いた。その瞬間シャツの中の矢印が上下横にぐるぐるぐると回り、車内に突風が吹いた。

「いけね」と男性は呟きそそくさと次の駅で降りいった。目の前に広がった窓ガラスにはボサボサ頭で目を見開いた私が座っていた。
ファンタジー
公開:18/04/23 21:04

二十一 七月

にそいち なながつ

まずは100話お話を作るのが目標です。

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