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製薬会社の商品企画室に勤めるA氏がデスクで資料を整理していると、部下のB君がやってきた。
「課長、画期的な新商品のアイデアを思いつきました!」
「ほぅ、どんなアイデアだね?」
「はい、水洗式トイレのタンク部分に設置するタイプの芳香剤です。
水を流すと薬剤が溶け、周囲に香りが漂うのです」
「いや、君…それは既に他社が出しているじゃないか」
A氏が顔をしかめると、B君は自信たっぷりに続けた。
「画期的なのはここからです。カートリッジを工夫し、水を流すごとに二種類の香りを交互に出すのです」
「それは確かに目新しいが、画期的というほどでもないだろう」
「うーん、そうかな…」
B君はしばらく悔しそうに考えていたが、突如ひらめいたように目を輝かせた。
「では、十回に一回の割合でとんでもない悪臭を漂わせることにしましょう。
商品名は『ロシアンブルーレット置くだけ』――課長、これはウケますよ!」
「課長、画期的な新商品のアイデアを思いつきました!」
「ほぅ、どんなアイデアだね?」
「はい、水洗式トイレのタンク部分に設置するタイプの芳香剤です。
水を流すと薬剤が溶け、周囲に香りが漂うのです」
「いや、君…それは既に他社が出しているじゃないか」
A氏が顔をしかめると、B君は自信たっぷりに続けた。
「画期的なのはここからです。カートリッジを工夫し、水を流すごとに二種類の香りを交互に出すのです」
「それは確かに目新しいが、画期的というほどでもないだろう」
「うーん、そうかな…」
B君はしばらく悔しそうに考えていたが、突如ひらめいたように目を輝かせた。
「では、十回に一回の割合でとんでもない悪臭を漂わせることにしましょう。
商品名は『ロシアンブルーレット置くだけ』――課長、これはウケますよ!」
公開:18/04/19 23:33
更新:18/04/21 01:23
更新:18/04/21 01:23
ショートショート講座への参加をきっかけに、登録させて頂きました。
子供のころからショートショートの大ファン。
文章は、書くのも読むのも大好きです。
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