出前の相棒オムライス
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その食堂はおばちゃんが一人で切り盛りをしている。さらに出前までしている。一人なのに、である。
「あの食堂に出前を頼むでしょ。気が付くとね、届いてるのよ。誰も持ってくるところを見たことが無いの」
バイトでもいるんじゃ。店に行って確かめてみよう。
店はほぼ満員だった。カウンター席が空いていたので座った。
電話が鳴った。出前の注文らしい。おばちゃんは注文を受けた後、オムライスを作り始めた。そして、
「はい、お待ちどうさま」
と私の前に置いた。「いや、まだ頼んでな」「いいから。お代はいらないから」
それなら、と一口食べる。うまい。夢中で食べてしまった。
食べ終わって、ふとおばちゃんを見ると、椅子に座って休んでいる。
あれ?出前は?
「出前に行かなくていいんですか?」
「出前ならとっくに行ったわよ」
おばちゃんが悪戯っぽく笑う。「うちのオムライスはね、時を止めるオムライスなの」
「あの食堂に出前を頼むでしょ。気が付くとね、届いてるのよ。誰も持ってくるところを見たことが無いの」
バイトでもいるんじゃ。店に行って確かめてみよう。
店はほぼ満員だった。カウンター席が空いていたので座った。
電話が鳴った。出前の注文らしい。おばちゃんは注文を受けた後、オムライスを作り始めた。そして、
「はい、お待ちどうさま」
と私の前に置いた。「いや、まだ頼んでな」「いいから。お代はいらないから」
それなら、と一口食べる。うまい。夢中で食べてしまった。
食べ終わって、ふとおばちゃんを見ると、椅子に座って休んでいる。
あれ?出前は?
「出前に行かなくていいんですか?」
「出前ならとっくに行ったわよ」
おばちゃんが悪戯っぽく笑う。「うちのオムライスはね、時を止めるオムライスなの」
その他
公開:18/04/21 19:57
スクー 時を止めるオムライス
文章を書くのが大好きです。
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