殺〇事件

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放課後の学園に悲鳴が轟く。
声の下に人が集まると、そこには床に倒れた教師の姿があった。
「先生が…」
これは酷い…誰が見ても明らかに死んでいる…
「…ん?何だ皆?どうしたんだ?」
当の本人、先生が気怠そうに起き上がる。
「先生…落ち着いて聞いてください…先生の毛根が…死んでいます」
先生は自らの頭に手を伸ばす。つるりとした感触。一切の頭髪が見当たらない。
「酷い…」
「ああ…これが噂の怪人の仕業か…」
「生え際の魔術師」
誰かが口にした。この学校では毛根を死滅させる恐ろしい怪人が現れる。
「先生…気を落とさないでください。今は植毛技術もカツラも進化しています。ここに腕の良い技術者がいるので連絡してください」
泣きながらメモの番号に電話する先生。
この事件は警察に届け出がされていない。皆、恥ずかしがるからだ。
非道な怪人がいるものと思う中、僕ら「薄毛を救う会」は今の状況が楽しくて仕方がない。
公開:18/04/21 19:30
更新:18/04/27 19:13

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