模型の友

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十年ぶりの同窓会で、懐かしい面々と再会した。話題が仕事の話になったとき、ある友人がこう言った。
「おれは小学校で働いてて」
教師かと聞くと、彼は首を横に振った。
「人体模型をやってるんだ」
友人は言う。
「高校を卒業してから、人体模型になるための専門学校に通ってさ。特別な訓練を積んで、身体の半分を模型に変えられる体質になったんだ。花形の就職先は病院なんだけど、おれは何とか小学校で雇ってもらえて。いまは理科室で子供たちに身体の仕組みを学んでもらうのが仕事でね」
頭の中に奇妙な光景が浮かんできた。友人が自分の臓器を取り出したりして、子供たちにそれが何かを説明している。
俄かには信じがたかったが、友人はつづけた。
「でも、子供たちには困ったもんで、イタズラするやつもいて。臓器を勝手に持ち出したりするんだよ」
友人は、いかにも迷惑そうな顔で言う。
「いまも、心臓がどっかに行っちゃっててさ」
ホラー
公開:18/04/21 07:35
スクー

田丸雅智( 東京 )

1987年、愛媛県生まれ。東京大学工学部、同大学院工学系研究科卒。現代ショートショートの旗手として執筆活動に加え、坊っちゃん文学賞などにおいて審査員長を務める。また、全国各地で創作講座を開催するなど幅広く活動している。17年には400字作品の投稿サイト「ショートショートガーデン」を立ち上げ、さらなる普及に努めている。著書に『海色の壜』『おとぎカンパニー』など多数。

◆公式サイト:http://masatomotamaru.com/

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