I have a dream

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私は「夢」を持っている。
幼少期に見つけた夢は、片手が塞がれても、どうしても持ち続けていた。おかげで両手を使う運動部には入れなかったけれど、気にはしなかった。夢を持っていることは誇らしかった。
夢は気を逸らすとどこかに行ってしまうので、勉強もままならない。結局何浪かして親に泣きつかれ就職をすることにした。
とある激務を強いる社長になぜか気に入られた。
それから始発で出勤し、終電で帰る日々が続く。
ビジネスバッグと夢を両手に持つのはしんどい。
たまたま定時に帰れることになった。駅に人はごった返している。
満員電車に乗り込む、電車に揺られる。
急ブレーキがかかり、私はつんのめる。
その時うっかり夢を手放してしまう。
顔からサーっと血の気が引けていく。
最寄りの次の駅に着く直前、夢を発見する。
夢を男の子が抱えている。私の持っていた時よりそれは輝いている。
私は取り返す事なく電車から降りた。
青春
公開:18/04/21 00:13
更新:18/04/22 20:10

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