倦怠期

あなたには倦怠期は無いの
えっ、ケンタッキー。最近、食べてないわね
違うわよ。倦怠期
ああ、無いわよ
どうして、どうしてないの
そうね。確かに主人の仕事は染物屋だから、いつの間にか私が目を離した隙に色気付いている事もあるわね
それなら、なおさらよ。あなたは腹が立たないの。私だったらイライラするわ。
あなたには娯楽が足りないのよ。たまには漂泊の旅も悪くないわよ。ご主人の事は忘れ、一旦、知らない場所へ行って御覧なさい。気持ちがすっきりするわよ
そんなものかしら
ええ、そんな物よ。帰って来た時にはきっと、この男性、誰。何で私の家に無断で上がり込んでいるの。もしかして泥棒。そんな気持ちになるわ。仮に女性が裸でいたとしても。あらっ、家を間違えたかしら、お取込み中、ごめんなさいね。オホホ
ガチャ
もしもし、警察ですか。私の家に不審者が・・・

確かに新たな気持ちで主人に会えそうね。ただし、ガラス越しの