エイジング

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「気持ちは嬉しいが、こんなおじさんじゃなくても、大学に幾らでも若い良い子が居るだろう?」
俺は申し訳なさで彼女から視線を外しながら、カウンター越しに彼女に告げる。

昔飲んだ、小さな喫茶店のとても澄んだ珈琲が忘れられなかった。
自分でもあの珈琲を淹れたい。
そんな想いが募り、一念発起して会社を辞め、小さなカフェを開いた。
彼女はオープン当初からアルバイトとして手伝ってくれている。

「年齢なんて関係ありません!私はマスターが良いんです!」
「俺の何がそんなに良いんだい?」
「珈琲を淹れる時の真摯な姿です。愛情に溢れてて、お客さんの事を真剣に思っている姿です。
いつの間にか珈琲にすら嫉妬するくらいに好きだったんです。
珈琲だって、熟成させた方が美味しいものもあるでしょ?」

その眼差しはとても真っ直ぐで、瞳は昔飲んだ珈琲のように澄んでいた。
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公開:18/04/16 21:51

WAかめ( 山の中 )

月の音色から参りました。ぽやぽやと思い付いた物語を書いております。素晴らしい作者の皆様の作品を読みながら勉強中の初心者。よろしくお願いいたします。

七夕ショートショートコンテスト入選ありがとうございます!
 

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