死神1

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私は死を司る死神。

私はこの自分より大きなこの鎌を振りかざして、命の終わりをもたらす。

でも私は皆が恐れているような、無慈悲な存在ではないのだ。

命は私の意志では刈り取れない。

命の終わりが来た時に、私がこの鎌で終わらせるだけなのだ。

私は恐れられていた。

この世界の人間は、死ぬ時だけしか私を見ることはできず、喋りかけられることはない。

私を恐怖のまなざしで見るものがほとんどだった。


私はひとりぼっちだった。

それでも来る日も来る日も命を刈り続けた。


そんなある日も、いつもと同じように命の終わりを告げた。

その小さな命は不自然な傷を負っていた。

まだ終わるべきではないのに、誰かに強制終了させられてしまったようだった。

可哀想だなと思いながらも鎌を振るおうとしたその時。

小さな命が浮かべたのは恐怖の顔ではなく、愛くるしい微笑みだった。
その他
公開:18/04/16 14:03

ぽえる( 高知県 )

どこか足りない。そう思いながらもつぎはぎの言葉を繋ぎ合わせてしか伝えられない。その不器用さが、その物足りなさが、そのふがいなさが、その切なさが、たまらなく愛しい。言葉っていいな。ことばっていいな。

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