パンとゆりかご 2

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目が覚めた。
まだ空は薄暗い。
近くでパパとママの寝息が聞こえる。
朝にはまだ少し早いらしい。
僕は両足を持ち上げて跳ねるように降ろした。
キシッ…
小さく音を立てて、ゆりかごが揺れた。
退屈しのぎに何度かそれを繰り返した後、試しに僕は両足を高く上げて、勢いよく降ろしてみた。
ギシッ!
ゆりかごが大きく揺れた。
と、その時、沈んだ足のほうから僕めがけて何かが飛んできた。
あっと驚いた僕の口の中に何かが入った。
これはパンだ!
甘くてふわふわでとっても美味しい。
もう一度やってみた。
ギシッ!
またパンが飛んできて僕の口に入った。
ゆりかごを大きく揺らすとパンが飛んでくるなんて、大発見だ!
でもそれは親指程の小さなパンだったから、僕は何度もゆりかごを揺らしてパンを食べた。
パン美味しい!
パン最高!



「あらあら。親指を美味しそうにしゃぶってるわ。この子は今、どんな夢を見てるのかしら」
ファンタジー
公開:18/04/17 23:21
月の文学館

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ショートショートって難しい。
最初の頃は400字は短すぎるなんて思ってましたが、色々書くうちに400字に無限の可能性を感じるようになりました。

読んだ人の心が少しでも動いたらいいな。何かを感じてくれたらいいなと思って書いてます。

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