0
152

私はある日、突然、急に隙間が怖くなった。あの隙間から誰かが私の様子をこっそり盗みしているんじゃないか、そんな強迫観念に襲われた。
そこで私はまず、部屋中の隙間と言う隙間にガムテープを貼った。
勿論、酸欠にならない様に宇宙服にも使われる空気循環機も取り付けた。私は、これでひと安心と思っていた。
だが、姿見の鏡を見て気付いた。
私の顔にも隙間があるじゃないの。
次に行ったのは顔中に包帯をグルグルに巻き、隙間を無くすことだった
これで安心だわと思った。でも、ある事に気付いた
そうだわ、私の心には隙間があるじゃない。
最後に私は心の隙間を埋めるべく、欲望のままに生きた。
食べたい物を食べ、欲しい物は何でも手に入れた。私の財力で。地位、権力、名声
いつしか私はマフィアのドンになっていた。
そのおかげで私は隙が出来なくなった。だって、いつ誰に命を狙われるか分からないもの
だから私は誰も好きになれない
公開:18/04/17 22:55
更新:18/04/19 10:02

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容