オチをつける少女

私は毎晩4コマ漫画を描いている。売れっ子？いやいや、時々ネットで紹介されたりするくらい。

その日も漫画を描いていた。くだらない話だ。4コマ漫画だからね。おかっぱの女の子が主役なのだけれど、2コマ目を描き終わった辺りでその子が突然こちらを向いて喋り出したんだ。

「ねぇ、オチはどうする気？」

驚いているうちにその女の子が2コマ目からポンと出て来てね

「ねぇ、この漫画のオチ、私の言う通りに描いてくれん？」

それから毎晩女の子は漫画から飛び出して来てね、私の漫画のオチを決める。私は言われる通りに描く。すると漫画はどーんどん人気になってね、本を出さないかっていう所まで出てきた。

ある夜、私は漫画を描かなかった。女の子も出なくなって、人気も本の話も無くなった。寂しかったけれどね、そうしたかったんだ。

あれから数年。その後どうしているかって？

まぁ、なんとか漫画を描いて暮らしているよ。