桃栗三年柿も三年

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桃栗三年柿八年というのに、我が家の柿は三年で実がなった。どうやら自分を桃だと思っているらしい。三年目に実を付けただけではなく、それが夏だったのである。

なぜ、桃だと思ってしまったのか。

それは私に原因がある。

三年前の夏、私は桃の種を庭に植えた。続けて秋に柿の種を植えた。
そのとき悪戯心をおこし、桃の種のところに「柿」、柿の種のところに「桃」と書いた札をさしておいた。そして柿の種に向かって「桃さん桃さん、本当に三年で実を付けてくださいね」などと言いながら水をやっていたのである。

こんなふうに育てたので、柿が自分のことを桃だと思い、何が何でも三年で実を付けなければと思ってしまうのも無理はない。

三年で生った桃、いや、柿の実はそれは小さく、親指の爪ほどの大きさだったけれど、それでも実らせたのには違いない。思い込みの力とはすごいものだ。

一方、本当の桃の方は…。

柿だと思ってる?
その他
公開:18/04/17 19:47

いづみ( 東京 )

文章を書くのが大好きです。

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