あと二年だけの関係

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突然、二年後にマンションを出て行く事になった。その約束をしてくれれば家賃は半額でいいという。そんな美味しい話、断る理由がない。

もともと次の更新はせずに引っ越そうと思っていた。古いし、いい物件があればいつでも出て行くつもりでいた。ふと、訳ありカップルみたいだなと思った。事情があって一緒にいるけど二年後には必ず別れる関係。そんな馬鹿な想像をしながらいつの間にか部屋の掃除をしていた。隅々まで。ドロドロで大嫌いになって別れる様な事だけは避けたいと思っていた。

翌日、仕事から帰ると部屋中がピカピカになっていた。流石に昨日の掃除ではここまでにはならない。次の日も、また次の日も部屋は勝手に綺麗になっている。だけれども、私も毎日掃除をした。確信していたのだ、毎日のピカピカはこの部屋がやっているのだと。


どうせ別れるなら好きになって別れたい。部屋のどこかから「賛成!」と聞こえた気がした。
ファンタジー
公開:18/04/16 00:47

二十一 七月

にそいち なながつ

まずは100話お話を作るのが目標です。

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