桜の花びら

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今日はお釈迦様がお生まれになった日。そんな日は山門の掃除がある。普段登れない階段を、小学5年生の私は一緒懸命に登る。正面に本堂を見すえられるこの景色は最高だ。掃除は好きだけど、一つ嫌な事がある。床の雑巾掛け。私は雑巾掛けが大嫌い。だって誰が一番早いかの競争が始まるから。女だから勝てっこない。
よーし、山門雑巾掛け競争やろうぜ!ほら始まった。
私はただただ外を眺めていたいだけなのに。
「俺やらなーい」太一だ。
なんでだよーって新田が言いよる。
「やりたくないんだからいいじゃん、景色見たいし」って。
「私もやらないっ!」
「ちぇっ好きにしろ」

太一と二人で山門からの本堂を眺めていた。“ありがとう”と心の中でつぶやくと、ふわっと桜の花びらが舞い込んだ。
その時、太一が何かを言っていた気がする。私にとって大切な何かを・・。
青春
公開:18/04/15 19:13

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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