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ある男が世界一素晴らしい女性を伴侶にしたいと考え、縁結びの神に祈りを捧げた。
「どうか私を、最高の女性と巡り合わせてください」
祈りは聞き届けられ、神が現れて言った。
「この赤い糸を授けよう。これを使えば、どんな相手とも縁を結ぶことができる」
男は喜び、それまで以上に相手探しに精を出した。
美しい人、優しい人、愛らしい人――様々な女性が現れたが、男はその誰にも満足しない。
なにしろ、どんな相手でもよりどりみどりなのだ。焦ってつまらない相手を選ぶことはない。
友人たちが次々と結婚していくのを横目に、男は最高の伴侶を探し続けた。
そして長い時が過ぎ――独り身のまま年老いた男は、死の床でしきりに悔しがっていた。
「赤い糸など、結局何の役にも立たなかった…」
それを空の上から見ていた神が、残念そうにつぶやく。
「せっかくの赤い糸も、自ら結ぼうとしなければ役立つはずがなかろうに…」
「どうか私を、最高の女性と巡り合わせてください」
祈りは聞き届けられ、神が現れて言った。
「この赤い糸を授けよう。これを使えば、どんな相手とも縁を結ぶことができる」
男は喜び、それまで以上に相手探しに精を出した。
美しい人、優しい人、愛らしい人――様々な女性が現れたが、男はその誰にも満足しない。
なにしろ、どんな相手でもよりどりみどりなのだ。焦ってつまらない相手を選ぶことはない。
友人たちが次々と結婚していくのを横目に、男は最高の伴侶を探し続けた。
そして長い時が過ぎ――独り身のまま年老いた男は、死の床でしきりに悔しがっていた。
「赤い糸など、結局何の役にも立たなかった…」
それを空の上から見ていた神が、残念そうにつぶやく。
「せっかくの赤い糸も、自ら結ぼうとしなければ役立つはずがなかろうに…」
ファンタジー
公開:18/04/12 20:34
更新:18/04/12 21:11
更新:18/04/12 21:11
ショートショート講座への参加をきっかけに、登録させて頂きました。
子供のころからショートショートの大ファン。
文章は、書くのも読むのも大好きです。
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