後もうちょっと

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風呂上がりに濡れた頭のままで冷蔵庫に行き、キンキンに冷えた麦茶をボトルのまま飲んだ。ふと冷蔵庫とキッチン棚の隙間に目が行った。

マグネットの様なものが転がっていた。確か、友達に海外旅行のお土産でもらった小さな家の形をしたやつだ。ちょうど取れそうな位置にあったので手を隙間に伸ばしてみたが届かなかった。手を伸ばして取れたら取ったが、棒や何か工夫をしてまで取ろうとは思わなかった。そのうち、掃除のついでにでも取ればいい。さっさと諦めて寝る事にした。


***

恐ろしい朝はいきなりやって来た。ズゴゴゴゴゴと分厚い風が擦れる様な音がしたかと思うとあたりは一瞬で暗くなった。外で何かが起きている、恐る恐る窓の外をのぞいてみると、巨大な人の指が曲がったり伸びたりしていた。

指の向こうから微かに声が聞こえた。


「そ〜の〜う〜ち〜と〜る〜か〜ら〜なぁ〜」
ファンタジー
公開:18/04/13 23:25

二十一 七月

にそいち なながつ

まずは100話お話を作るのが目標です。

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