久しぶりだね

今のボクは仕事の関係で、1週間に1度しか家に帰らない単身赴任的な立場だ。

そんな状況で偶然…20年ぶりに昔の彼女の母親に会った。

久しぶりだね、娘に会ってかない？

ボクは彼女が今だに未婚だし…独身生活的なこの状況、うちのには目が届かないところにいる。

「是非」

感情をおさえた抑揚の無い言葉でボクは彼女の母に伝えた。

…駅から歩いて5分くらいのところが彼女の実家。マンションなので、当時とそんなに変わらない印象だ。

お母様に彼女の部屋に通された。

あ！

当時、モデルに何度も誘われてた美貌そのままだ。
彼女は笑顔でボクを見つめている。

懐かしさとこみ上げて来る気持ちを抑えきれず…ボクの左目から涙がこぼれ落ちた。

キミが生きていたら一緒に暮らしてたのかな？
それともやっぱり、お互い別の人生を積み重ねたのかな？

「久しぶりだね。伝えたい事が沢山あるんだ…」