営業するサムライ

日本では工芸の職人がどんどん数を減らし、日本が世界に誇れる技術が衰退している昨今。
時代は移り変わりデジタルでクリエイティブな世の中になっているというのに、世界から見た日本は未だサムライとニンジャの国。
日本の文化とも言えるサムライ。
実際のこの国の拙者の印象といえば、街を歩けばちょんまげを笑われ、刀は銃刀法違反。
日本の文化が、日本に居づらいとはどういったことか。
誰も拙者に仕事を与えてはくれないので営業をするしかないのだ。
アポを取って会社に出向き警護などの仕事を頂くのだ。
城の警護や街を見回るのが当時のサムライの仕事であったが、そう考えればサムライなんて大した仕事をしていないのだと実感した。
今、拙者がしていることは警備員のアルバイトである。
拙者はサムライとは言えん。
切腹してやろう。
そう決めて押入れを開いこうとしたが、中には模造刀しか入っていない。
腹も切れぬ。
無念である。