たんぽぽ・ぽ・ぽ・ぽ
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マンションのベランダは見晴らしがいい。
洗濯物を干しながら見ていると、やがて下に小さな黄色い丸が現れる。ポン、ポン、ポン。
次々と咲く春の風物詩はやがて綺麗に列を作って歩き出す。
「今年もたんぽぽの行列が始まったわね」
新一年生の黄色い帽子が上からはたんぽぽの花が並んでいるように見える。今日は上級生に連れられての初登校だ。
その上を綿毛のようにかつては黄色かった帽子が空高く舞い上がる。
今は校庭の土に茶色く汚れ、ツバはよれ、ゴムが伸びてしまった帽子。
その持ち主は、もうランドセルの重さによろける事もなく、新入生と手を繋ぎ「ちゃんと並んで」「横断歩道は気をつけて」なんてちょっと偉そうな口調で気取ってる。
帽子は彼らを見守りながら、風に乗って飛んでいく。
「一年間ありがとう」
ベランダから手を振った。
綿毛になった黄色い帽子。いつかどこかの原っぱで、また子供達と会えますように。
洗濯物を干しながら見ていると、やがて下に小さな黄色い丸が現れる。ポン、ポン、ポン。
次々と咲く春の風物詩はやがて綺麗に列を作って歩き出す。
「今年もたんぽぽの行列が始まったわね」
新一年生の黄色い帽子が上からはたんぽぽの花が並んでいるように見える。今日は上級生に連れられての初登校だ。
その上を綿毛のようにかつては黄色かった帽子が空高く舞い上がる。
今は校庭の土に茶色く汚れ、ツバはよれ、ゴムが伸びてしまった帽子。
その持ち主は、もうランドセルの重さによろける事もなく、新入生と手を繋ぎ「ちゃんと並んで」「横断歩道は気をつけて」なんてちょっと偉そうな口調で気取ってる。
帽子は彼らを見守りながら、風に乗って飛んでいく。
「一年間ありがとう」
ベランダから手を振った。
綿毛になった黄色い帽子。いつかどこかの原っぱで、また子供達と会えますように。
ファンタジー
公開:18/04/09 00:03
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tamanegitarou1539@gmail.com
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