2
170

『危ない!』

僕は彼女の手を取った。
ふんわりしながらしっとりもしている不思議な柔らかな感触に驚いた。

十数年前…母に手を取られ嫌々歯科医院に連れていかれたのが『女性』というものに触れた最後だった気がする。母の手は家事をこなしているからか少し分厚かった。

それとは違うこの未知なる感触に浸ってしまった(数秒)
『気づかなくて転ぶところでした。ありがとうございました。』
改札口を抜けた先の段差でよろめいた彼女を僕は助けたのだ。

『転ばなくてよかった。』

それが縁で僕は彼女いない歴25年に終止符を打てた事はほんとに幸運だった。
デートの時は必ず手を繋いだ。
彼女の手は僕の宝物になった。

あれから30年の月日が経った。
僕らは結婚し、この春子ども達も独立して第二の夫婦二人生活が始まる。彼女の手は家事をこなす手になった。
母の手に似ている?でもやっぱり今でも僕は彼女と手を繋ぎたがってる。
その他
公開:18/04/08 20:54

みぃかもしれないみぃより( 愛知県 )

全くの初心者です
なので見切り発車のもの多数
一度載せたものでも
納得がいくように
いいと思ったらなおしますので
あしからずφ(..)
こんな私ですがよろしくお願いします

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容