伝線

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ふくらはぎ辺りでぴりりと弾ける感覚があった。その部分に目をやるとストッキングが派手に伝線をしていた。おや。
急いで予備に履き替える。
そして私は下着屋さんに行き、伝線したストッキングをレジに持っていった。
「こちらの商品は432円でしたので216円になります。毎度ありがとうございます」
レジの人からお金を貰う。

昔は伝線が嫌いだった。ストッキングは脆い。歩いてて知らぬ間に縦に一線、地肌が露わだなんてよくあることだし、買って袋から出した後、中の厚紙で伝線ができた時なんて最悪だ。小さな伝線でもすぐ広がるから、その度に新しいものが必要になる。そのくせ別段安くはない。

でも今はそこまで嫌いじゃない。伝線したストッキングをよりあわせ、電線にする技術ができたのだ。下着屋に持っていくと購入時の半額が返ってくる。

昔は伝線が嫌いだった。
今はそれほど気にならない。
だから私は大きな一歩を踏み出した。
その他
公開:18/04/07 13:14

砂塵

読んでいただきありがとうございます。
話のおもしろさ云々はひとまず置いといて、とりあえず一本完結させることを重視して書いてます。
朗読ラジオ「月の音色リスナー」です(^o^)/
低浮上中なのでコメント返し遅れるかもですが必ずお返しします。

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